ファイルやディレクトリを指定する際に使う、絶対パスと相対パスについて簡単に説明します。
絶対パスと相対パス
Ubuntuを含むLinuxでは、ファイルやディレクトリを指定する場合に「絶対パス」と「相対パス」という概念を理解することが大事になります。
それぞれの違いを理解すると、より効率的に作業を行うことができるようになるので、それぞれについて簡単に説明していきます。
パスについて
まず最初に「パス」について説明を行います。
「パス」とは、ファイルやディレクトリの場所を示すための住所みたいなもので、以下の要素で構成されています。
- ディレクトリ名
- /（スラッシュ）: ディレクトリの区切り
- ファイル名
下記の場合は、「/」（ルートディレクトリ）の中に「etc」ディレクトリがあり、その中に「passwd」ファイルがあるということを表しています。
/etc/passwd
Ubuntuを含むLinuxでは「/」（ルートディレクトリ）が最上位のディレクトリとなり、全てのファイルやディレクトリはこの中に存在しています。
絶対パスとは
- ルートディレクトリ「/」から始まる完全なパス
- どの場所からでも同じ表記でファイルやディレクトリを指定できる
- フルパスと呼ばれることもある
絶対パスの例
下記が絶対パスの表記例です。
/home/tamohiko/work/doc/test.txt
絶対パスを指定すると、どのディレクトリから指定しても同じファイルにアクセスることが出来ます。
相対パス
- カレントディレクトリ（現在のディレクトリ）を基準としたパス
- 現在のディレクトリは「.」で表す
- ひとつ上のディレクト「..」で表す
- カレントディレクトリの場所によって指定するパスが異なる
相対パスの例
カレントディレクトリにあるファイルを示す場合は下記のように、「./」で現在のディレクトリを表し、その中のファイルを指定するという形式になります。
./test.txt
カレントディレクトリが「/home/tamohiko/work/pic」の場合、「/home/tamohiko/work/doc/test.txt」を相対パスで指定する場合は下記のようになります。
../doc/test.txt
カレントディレクトリからひとつ上のディレクトリ「../」に戻り、その中にある「doc/test.txt」を指定しています。
「../」は重ねて使用することができます
「../」は重ねて使うことも出来て、下記のように相対パスを指定した場合は、２つ上のディレクトリに移動することが出来ます。
$ cd ../../
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